兵庫県尼崎市出身。20歳で渡仏し写真・芸術を学ぶ。2003年よりフリーランスフォトグラファーとして活動開始。主に雑誌、広告、CDジャケット、舞台などで撮影しつつ、自身の作品も個展にて発表。主な著書に「anemone」、「月刊二階堂ふみ」、本格作品集「赤い河」、2018年3月に発売となった、女優・杉咲花の1st写真集「ユートピア」がある。
夕暮れも過ぎた総曲輪の商店街。時間が時間なだけにもう閉店しているお店も多く、シャッターに蛍光灯の光が反射し、玄理が表情を変えくるくると動くたび身にまとう服も煌く。
まるで水の中を泳ぐ魚のようにとても美しい眺め。
ふと足を止めると「田中屋履物店」が目に入る。ひっそりと佇むも揺るぎない伝統を感じる。
「何か御用ですか?」、女将さんが怪訝な顔で出てきた。自分達が怪しいのは分かっていたので、この辺りを観光しながら撮影していることを伝える。
「このお嬢さん(玄理)が美しいからいいわよ」、案外あっさりと許可してくれた。
ホッと胸を撫で下ろし店内に並ぶ草履を見回すと、とても貴重な品々が並ぶことに気付く。この場所を流れる心地良い緊張感で守られて来た伝統を思うと背筋が伸びた。
草履屋の向かいに趣のある「竹嶋昆布専門店」を発見。なぜ富山市で昆布?との疑問に女将さんが、北海道から薩摩まで昆布を運んだ北前船の影響で昆布をよく食べるようになったのだと教えてくれた。なるほど。
その後「酒家蔵部」へ。とろろ昆布のおにぎりを頬張り、富山市の歴史と伝統を深く味わった。満足満足。
玄理(ヒョンリ)
1986年生まれ。東京都出身(国籍は韓国)。主演映画『水の声を聞く』(山本政志、2014年)で、第29回高崎映画祭最優秀新進女優賞受賞、ベルリン国際映画祭・香港国際映画祭などにも正式出品され話題を呼んだ。その他の出演作に『駆込み女と駆出し男』(原田眞人、2015年)、『リップヴァンウィンクルの花嫁』(岩井俊二、2016年)、『後妻業の女』(鶴橋康夫、2016年)など。『ハイヒール』(イ・インチョル、2017)が、2017年6月24日よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー。
『ハイヒール〜こだわりが生んだおとぎ話』
2017年6月24日よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー
公式サイト: http://highheels.lander.jp/
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