1991 年東京都調布市出身。写真家 • 青山裕企氏に師事。2013 年少女写真家として活動を 始める。
自らの少女時代の記憶をもとに “ 少女写真 ” という表現を追い求め作品を制作。 主な仕事としてアイドルやモデル、女優、声優など女性のポートレートを中心に雑誌・映画・ドラマ関係の撮影をしている。最近では山戸結希監督新作短篇「玉城ティナは夢想する」の写真撮影を担当し写真集『渇望』と映像に合わせて収められている。けやき坂46主演ドラマ「Re:Mind」のメインスチールも務める。
浅草・ケーキショップテラサワ編
写真:飯田エリカ
文:竹内ももこ
浅草の裏通りにこじんまりとある、赤色が目印の「ケーキショップテラサワ」。
お店に入った瞬間ビビビッ!ときた。
底が波打った銀トレーに一切の余白も無くむぎゅぎゅっっと詰められたパンたちに、愛おしさと尊い気持ちが止まらず...…。
パンたちの表情がすこぶる良い!
パンにも表情がある。
静かだったり生き生きしてたり淡白だったり重厚だったり。
テラサワのパンは全てうるうると優しい顔をしていて、美味しいよ〜!と自ら声をあげているようだった。
さらにテラサワさんご夫婦の あの抱きついてしまいたくなるような優しい笑顔がパンをさらにキラキラさせる。
まるっとつやつやあんぱん、これぞ!なカリカリザクザクのカレーパン、ピシッと姿勢良く並べられたシベリア。きちんとそこにそうあるべき姿で 確かな迫力を醸し出していた。
うるうるっとかわいい顔したパンたちにたぶらかされ誘惑に勝てるわけが無く、あれもこれもそれも……!としているうちにいつの間にかトレーはパンパン。
その光景がまた素晴らしい…...。
全て創業以来レシピは変わらないらしい。
亜麻仁オイルと米油でつくった自家製マヨネーズをつかったつやつやたまごサンド。手の平にのるかわいいサイズ。
このちょこっと一個で満腹になるのかって思うけど、もう満足度がすごい。
一瞬でお腹と心が満たされていく。
はむっと大胆にかぶりつけば体中の幸福度が一気に上がる。
噛んだ瞬間やわらかなパンのふわぁっとした甘みに包み込まれる。
そこへたっぷり自家製マヨネーズのあっさりこっくりした味が馴染んでいく。
絶妙な口溶けであっという間にぺろり。手は空っぽに。
あぁ…あともう一個食べたい…のもどかしさがたまごサンドへの愛おしさをさらに膨らませていく。
そしてお初お目にかかりますイカゲソパン!イ、イカゲソパン……??
昔は主流だったらしい。
少し半信半疑でかぶりつく。
その瞬間、スンっと鼻から抜ける独特の香ばしさ。
イカゲソが際立つかと思いきや千切りキャベツが良いクッションになっていて、これまた素晴らしいバランス。
噛めば噛むほどじゅわぁっと味が出てきて、口に入るキャベツクッションの量で風味の強さが変わってたのしうまい!
馴染みあるほっとする味と昔からあるはじめての味。
どちらをもガツンと贅沢に味わったこの日はずーっとテラサワの余韻が抜けなかった。